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Le mystère Picasso(ミステリアス・ピカソ 天才の秘密)を鑑賞

こんにちは、2DのYです。
最近見た映画で印象に残った作品について、初めてブログを書いてみました。
少々、映画のネタバレが含まれております。

 

ピカソという画家の名前を耳にしても、とうの昔にその名前や作風自体が既にアイコン化されており、
真剣な目線で彼と彼の作品に向き合える人はとても限られていると思います。

 

かくいう私も学生の頃に美術史でキュビズムが取り上げられても、これならばルネサンス絵画の方が優れて見えるし、
技法的にもより高度なことをしているという印象がぬぐえず、長い間ピカソの功績があまり分かりませんでした。

 

しかしアートの価値は決して画の上手さで決定しない、という一点がよく理解できてからは、
むしろ歴史上画家として彼より多くの人へ影響を与えた人も中々いないのではと思うようになり、敬愛の対象となりました。

 

 

“子供は誰でも芸術家だ。問題は、大人になっても芸術家でいられるかどうかだ。”
“ようやく子どものような絵が描けるようになった。ここまで来るのにずいぶん時間がかかったものだ。”

 

 

ピカソは上記のような言葉を生前に残しています。
つまりは15歳の時点で“初聖体拝領(1897)”“科学と慈愛(1897)”のような画を描けるほどの早熟な彼は早々に、
“上手に描ける”ことは“誰かからの影響を受けた”ことと同じだと気付き、
何者かに全く感化されていない純粋な芸術を描ける人は世界中探しても、
好き放題にペンを走らせる子供たちだけだ、といつからか考えたのではないでしょうか。

 

今回鑑賞した本映画は1956年公開、ピカソのドローイングをリアルタイムでフィルムに記録した、貴重な作品です。
中でも中盤の、”Head of Faun”の作画シーンではピカソの背後からもフィルムが回され
クルーゾー監督からわずかに残ったフィルム、5分を与えられた中で急かされながらも
ダイナミックに絵を潰しながら描き上げるシーンは劇中音楽もなく、
最も生々しく記録されていて必見のシーンとなっていました。

 

全体を通して基本的にはピカソの絵が出来上がっていくのをみるだけの映画なので、
興味がない人にとってはかなり退屈に感じるかもしれません。

 

また、ジョルジュ・オーリックのやや大げさな音楽が鬱陶しく、
鑑賞の邪魔に感じる部分もありできれば全編を通してピカソのペンの摩擦音だけを聴いていたかったのですが、
最後の海水浴場の絵ではむしろその音楽の過剰なスケール感との組み合わせでギャグっぽくなっており、
突如”デーン”という音とともに変貌する男女のシーンなどで笑えたので、大変良かったです。

 

以下、参考リンクです。

・Le mystère Picasso(ミステリアス・ピカソ 天才の秘密)
https://www.imdb.com/title/tt0049531

・”初聖体拝領(1897)”
https://jp.painting-planet.com/%E5%88%9D%E8%81%96%E4%BD%93%E6%8B%9D%E9%A0%98-%E3%83%91%E3%83%96%E3%83%AD-%E3%83%94%E3%82%AB%E3%82%BD

・”科学と慈愛(1897)”
https://media.thisisgallery.com/20208200/http-art-picasso-com

・”head of Faun”
https://www.theartnewspaper.com/2020/01/17/royal-academy-of-arts-to-show-rare-picasso-drawings-from-ground-breaking-1956-film-of-the-artist-at-work